技術的課題と適応課題

~なぜ人と組織は変われないのか:その2~

親愛なる皆様
おはようございます。

先日のコラムで紹介した著書
「なぜ人と組織は変われないのか」は、
ハーバード大学PJチームが30年にわたる研究結果
として脳の成長は思春期以降ほぼ止まるというこ
れまでの科学の常識は誤りで、大人になっても知
性や思考は成長することができる、人間は誰も成
長し続けることができるということを証明してく
れた、中高年には大変勇気と希望が持てる一冊だ。

せっかくなので、今後ももう少しこの著著に触
れて、勉強したいと思う。シリーズ的にコラム
に書いていきたいと思います。

本書の最後のまとめでは、発達思考の7つの姿勢
を描いていてその筆頭には、①「人間は思春期以
降も成長できるという前提に立つ」と書かれてい
ることは、前回のコラムでも書いた。今回は二つ
目以降に書かれていることを紹介する。

②「技術的な学習課題と適応を要する学習課題の
違いを理解する」とある。これも実に興味深い。

技術的課題と適応課題の違いとは、
簡単に云えば、技術的課題は、現象対処法であり
文字通り技術やテクニックによって解決すべき課題
であり、適応課題とは、目先の現象的な問題を解決
するに留まらず、本質的、根本的なところに目を向
ける、現象的な問題に根差す本質に気づき、適応し
ていく力を養っていくことにより解決していく課題で
あります。

簡単に云えば・・・といいながら、
少し回りくどい表現になって
しまったので、こんな例えで描いてみる。

事故を繰り返し起こすトラックドライバーがいた
とする。事故防止の指導方法として、教習担当者
が添乗し、急発進、急ブレーキ、後方確認等、運
転技術の指導をする、これは大事な指導で欠かせ
ないし、技術的課題は、こうしてクリアしていか
なければならない。しかし、これだけでは事故
は無くならない。

加えて必要なのが、当ドライバーが、トラックの
安全な乗務という課題にしっかり適応し続ける為
の指導、学習が必要であります。

例えば、精神状態が不安定であったり、運転中
無意識のうちにやってしまう危険な癖を持って
いたりという問題は技術的な課題とは違うが、
ここを解決しない状態では、安全な乗務に適応
したドライバーとはいえない。

事故防止の学習や指導に限らず、あらゆるカテゴ
リーでの学習、指導の在り方において、適応課題
を解決しなければならない時に技術的課題を用い
てしまう。というのが多くの組織が頻繁に犯す過
ちである。と、本書は指摘している。

かといって、技術的課題も勿論蔑ろにはできない。

技術的課題と適応課題の違いをしっかり理解する
ことがとても重要であります。

今日も一日良い日に致します。

物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝

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