峠 ~最後のサムライ~(上)

親愛なる皆様
おはようございます。

今年は例年に比べてあまり映画が観れていませんが、
今朝は久しぶりに映画の話題を書こうと思う。

先日観た「峠 ~最後のサムライ~」、
時は幕末、主人公は役所広司演じる河合継之助。
越後長岡藩家老とし戊辰戦争を戦い散った男の物語。

私は、この映画の原作となる司馬遼太郎著「峠」を
27年前に読んだ。その後、師と共に新潟長岡へ、
河合継之助の足跡を辿る旅をした。

なので、継之助とは27年ぶりにスクリーンで再会
したことになる。

河合継之助は、西郷隆盛や大久保利通、勝海舟と
いった名立たる英雄とは違い、あまり知られていない
存在ではあるが、その生き方、生き様は正に英雄であり、
その時代にして洋学を学び西欧の近代思想にも明るく
柔軟な考えを持つ一方、強烈な自己規律によって
武士道に生きた人。

映画を観ながら27年前のことを懐かしく思い出し
ながら自宅に戻り、上下巻で1000ページを超える
長編小説を久しぶりに書棚から取り出し読んだ。

私は読書をしながら、良い言葉や文章には線引きを
したり、そのページに付箋をしたりするが、
何故か、この2冊には付箋も線引きも見当たらない、
ただ、不思議なことに、とある見開きの2ページにだけ
沢山の線引きが鉛筆書きでマークしてある箇所があった。

読み返してみるとやはり素晴らしい文であります。
難しい表現で書かれているので、
一部私なりにアレンジして以下に書いてみる。

「この世に全てのものは、人間である己がそのように見、
そのように感じるからそのように存在している。
つまり、キレイな花は己がキレイと思うからキレイ
なのであって、実際にキレイな花など存在しない。
憎い人も、可愛い赤子も、全て己がそう見、そう感
じたからそこに存在している。万物は主観的存在である」

「人間には心の他に気質というものがある。
賢愚は気質によるものだ。
気質が不正ならば物事に囚われ、俗欲、物欲に囚われ、
心が曇り、心の感応力が弱まり、物事がよく見えなくなる。
つまり、愚者の心になる。
学問の道は気質の陶冶にあり、知識の収集にあるのではない。
気質が常に磨かれていれば心は常に明鏡のごとく曇らず、
ものごとがありありと見える。
よく知ることだけでとどめず、実行を伴わせること」

27年まにマークした文を読み返したが、
実に深い、いい文章です。

長くなりそうなので、次回に続けたいと思います。
今朝は以上。

今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA