峠 ~最後のサムライ~(下)

親愛なる皆様
おはようございます。

「この世の全てのものは、人間である己がそのように見、
そのように感じるからそのように存在している。
つまり、キレイな花は己がキレイと思うからキレイ
なのであって、実際にキレイな花など存在しない。
憎い人も、可愛い赤子も、全て己がそう見、そう感
じたからそこに存在している。万物は主観的存在である」

「人間には心の他に気質というものがある。
賢愚は気質によるものだ。
気質が不正ならば物事に囚われ、俗欲、物欲に囚われ、
心が曇り、心の感応力が弱まり、物事がよく見えなくなる。
つまり、愚者の心になる。
学問の道は気質の陶冶にあり、知識の収集にあるのではない。
気質が常に磨かれていれば心は常に明鏡のごとく曇らず、
ものごとがありありと見える。
よく知ることだけでとどめず、実行を伴わせること」

現在、全国で上映中の「峠~最後のサムライ~」、
越後長岡藩家老河合継之助の物語、
原作は司馬遼太郎著「峠」上下巻1200頁に
及ぶ大作を27年前に読み、その後、師と共に
新潟県長岡へ、継之助の足跡を辿る旅をした。
あれから27年、スクリーンで継之助と再会し、
そして、再び本を開き、飛び込んできたのが
先の文章である。

二つの文章を読み解くと、
「万物は主観的存在であり、全てはその人が見たいように
見ているに過ぎないが、学問によって気質を磨くことにより、
物事の本質が見えてくる。そして、本質を知るだけではなく、
行動を伴わせること」

史実にもとづく物語の中で、
継之助が云った言葉として
司馬遼太郎が描いている文章だが、
物事の捉え方や考えは皆違うということ、
勉強することの大事さ、そして、何よりも
行動することの大事さを見事に言い当てている。

役所広司演じる河合継之助、本質を知り迷いなく
信念を持って生きている人間らしく、逆境の中にも
力強く飄々と生き抜く様を見事に演じている

映画「峠~最後のサムライ」、お薦めです。
最近の映画は上映期間が短いので、お早めに。
そして、観てから読む、読んでから観る、
どちらでもいいと思いますが、
映画鑑賞と読書をセットにするとより深まります。

今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝

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