待つこと

親愛なる皆様

おはようございます。
10年ほど前になるが、
キリスト教独立学園高等学校を訪ねた。

山形県の南端、豪雪地として名高い小国町
にある 全寮制、普通科の高等学校。

当時、校長先生だった安積力也さんの
お話しをNHKのドキュメント番組で観て、
その理念や考えに感銘し、手紙を書きご返事
を頂き、電話で連絡を取り、快く応じて頂き、
訪ね、およそ20時間くらいの滞在時間に
二度涙を流すという感動の体験をさせて頂いた。

夕方に到着した私を食堂で生徒や先生達が
迎えて下さり、安積校長から私の紹介をして
頂き、軽く挨拶をし、生徒達と一緒に談笑し
ながら夕食をとった。

その後、教えて頂いた宿泊する部屋がある建物
へ向かって夜道を歩いていると、先ほど食堂で
一緒だった生徒たち数人が後方から「山田さーん」
と大きな声を出しながら追いかけてきた。

何かと思えば、「一緒に風呂入りましょうよ」と、
何の衒い(てらい)も遠慮もなく、というか、嬉し
そうに、キャッキャッと燥いで(はしゃいで)いる
ような感じで、先ほど会ったばかりのオジサンに
声をかけ、皆に手を引っ張られるようにして建物
の方へ連れて行かれました。

その後、一緒に風呂
に入った時も、ごくごく自然に生徒達と会話をした。
そのあまりにも自然で、純粋な存在に、言いようの
ない感動が込み上げてきて涙が溢れ出した。
運よく風呂場だったので覚られなかったが・・・ 
初めての体験だった。

人間はあまりにも純粋なものに触れると涙が出る
ことを知った。私があまりにも汚れていたからか
もしれないが・・・(笑)

寮で一泊させて頂き、生徒達とも会話をし、
お風呂にも一緒に入り、翌日は朝の礼拝にも
参加させてもらい、その後、安積校長と長い
時間お話しをさせてもらった。

大自然に囲まれた広大な敷地の中で、
生徒たちは3年間、聖書と自然と労働を
通して人格を形成していきます。

授業で学ぶ教科もさることながら、厳しい
自然環境の中で除雪、掃除、炊事、家畜の世話
や園芸(野菜の栽培)などの労働を通じて学び育
っていきます。

安積校長のお話の中で、印象的だったのは、
「人格形成において最も大事な思春期を、
ある意味、一般的な社会から離れた非日常生活
のような環境の中で、3年間過ごし、その後、
卒業していった子供たちが社会で通用しないの
ではないかと、よく聴かれるのですが、
それは全く誤解で、この三年間で厳しい自然の
中で労働を通じて育んだ精神は土の中に深く
伸び沢山の栄養を吸収する根の如く、社会に出
て行った後に、様々な問題や困難に遭遇しても
折れないのです。

仮に折れても、奥深く伸びた
根がありますから、また必ず立ち上がってくる
のです」そして、「教育の究極は“待つこと”です」
と言われた時、そこでまた感涙してしまった
わけです。

社内外において、人材育成を仕事の本文と
している自分に不足している最大は「待つこと」
ではないかと、10年前、安積先生や生徒達に
感動させられ、気付かされた、あの体験を、
すっかり忘れてしまっていた自分自身に言い聞
かせようと、今朝は長々と思い出話を書いた。
今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝

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