頭脳とハートへのはたらきかけ
~なぜ人と組織は変われないのか:その5~
親愛なる皆様
おはようございます。
先月から粛々とシリーズで書かせて頂いている
著書「なぜ人と組織は変われないのか」の中から
リーダーが示すべき発達思考の7つの姿勢、
今朝はその5つ目について書く。
この「リーダーが示すべき発達思考の7つの姿勢」は、
「人財育成における心得」と言い換えてもよいと思う。
五つ目は、
「思考様式が思考と感情の両方を形づくることを理解し、
思考様式を変えるためには「頭脳」と「ハート」の両方
にはたらきかける必要があると認識する。」
私は、事故防止においての研修講義や社内での社員指導の
時にも伝えているが、事故が起きない体質を育むためには、
三つの側面からのアプローチがいる。
一つ目は技術的側面、プロドライバーにおいては云うまでもなく
ある一定以上の運転技術がいる、二つ目の側面は脳へのアプローチ、
ドライブレコーダーの映像を使ったKYT(危険予知トレーニ
ング)は正しく脳科学を活用した脳トレーニングであります。
そして、最後三つ目の側面が、精神的側面、心(ハート)への
アプローチであります。この三つの輪が重なり機能して事故防止
が成立する。
![](https://i0.wp.com/www.yamanet.tv/wp/wp-content/uploads/2021/05/157937114_3767006530047270_7286321874553452761_n.jpeg?resize=1024%2C576)
本書においては、技術的側面(行動)は後に出てくるが
心得の五つ目では、「頭脳」と「ハート」この二つへの
アプローチが重要ファクターだと説いている。
そして、特に「ハート(感情)」へのアプローチについては、
人間の感情が仕事や職場において大きな影響を及ぼしている
ことを知っていながら、どのように継続的、建設的に関わ
ればいいのか多くのリーダーが途方にくれていて、気づか
ないフリをしたり、放っておいたりしている現実を指摘している。
日常でアルアルなので、実にリアルな指摘であります。
ハート(感情)へのアプローチの効果は見えにくく、
手間と時間がかかるので、上記のような(気づかないフリ、
放っておく)選択をする場合が多いが、本書がさらに指摘
しているのは、「効果」と「効率」を取り違えてはならな
いということ。
「既存の思考パターンの限界を押し広げような学習プロセスを
採用すれば手間と時間がかかるが、そういう学習を実践しなけ
れば人々の行動を大きく変えることは出来ない。(中略)
人は常に血の通った人間であり続ける限り、感情に働きかけ
る方法を見いだせない限り、重要なゴールには到達できない」
メチャクチャ共感できる一文であります。
一昨日、今年度最後の社内リーダー研修を行なった。
正に引用した上記文の如く、感情に働きかける学習プロセスを
採用し継続してきたお陰で、いよいよリーダーや組織の成長が
目に見えてきた。一昨日はその実感を当のリーダー達に伝え、労った。
人と組織が変わり始めている。
今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝