文化の日に考える
親愛なる皆さん
おはようございます。
今日は文化の日。
1946年(昭和26年)11月3日、日本国憲法が公布された。
日本が国内外へ向け戦争放棄の宣言をした日でもある。
その日の国民の歓喜はいまだかつて見たことがない“熱狂”
だったそうだ。数千万人の犠牲者を出した戦争を終えた
翌年に出されたこの宣言は、国民にとっては最も望んで
いた世界に誇れる憲法の公布。
当日の“熱狂”は当然の景色だったのでしょう。
それからの日本は奇跡の復興を遂げ、目まぐるしい
経済発展を成功させた。そのきっかけ、原点の日が、
1946年の11月3日だったのかもしれない。
1964年10月10日、東京国立競技場。
戦後20年で奇跡の復興を遂げた日本でオリンピックの
開会式が行われた。その式典で、若者達の行進は希望の
エネルギーに満ちていた。その20年前、その場所は
学徒出陣で若者達が行進した場所でもある。
毎年、文化の日になると、いつもこの人の言葉を
思い出す。先の東京国立競技場の両方の景色を観客席
で観ていた作家の故杉本苑子さんは、
「20年という歳月が果たした役割の重さ不思議さを
私は考えた。同じ場所で、同じ君が代、同じ日の丸、
同じ若人の式典であるにも関わらず、何という意味
の違いだろうか。 何か恐ろしい。
今日という日はあの日に繋がり、あの日もまた今日
に繋がる。祝福と色彩に飾られた今日が如何なる
明日に繋がるか誰にも分からない。今日という美しい
日が明日につながるよう祈るだけである」
1964年からおよそ半世紀、2013年IOC総会にて再び
東京オリンピックの開催が決まり、その後、全世界が
コロナに襲われ、1年延期で2021年の開催となった
東京五輪を見ることなく杉本苑子さんはこの世を去った。
経済の発展、科学の進化、素晴らしき人間の叡智と共に、
時代は巡り、負の歴史もまた繰り返されていることを思う。
叡智と愚かさ、逞しさと脆さ、人間が思い描いた
ものが現実化しているということに気づかなけれ
ばならない。あの時代も、現代も、これからの時代も。
人間の果たす役割、特にその場、その時代のリーダー
が果たす役割は実に大きい。
日本初の女性総理大臣が誕生し、初めての文化の日。
平和への願いを込めて日本国憲法が公布された日。
今、改めてこの日の意味を真剣に考える必要がある。
今日も一日良い日に致します。
物流応援団長(兼)応援され団長
山田泰壮(やすお) 拝





